2024.07.16
葬儀の基礎知識
香典を銀行振込してもよいのか?郵送方法・マナー・送金サービスも紹介
大切な方の訃報を受けたものの、葬儀に参列できないことがあるかもしれません。参列できなくても、香典を渡して弔意を伝えたい場合、銀行振込や郵送をしても問題ないのでしょうか。
この記事では、参列以外で香典を渡す方法について詳しく解説します。香典に添える手紙の書き方や、香典・香典袋のマナー、香典の送金サービスなども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
香典は銀行振込しないのがマナー
事情があって葬儀に参列できない場合、遺族の銀行口座に直接振込したいと考える方もいるでしょう。
しかし、香典を銀行振込することはマナー違反です。郵送したり、代理人に持っていってもらったりするなど、他の方法を選択しましょう。
香典の郵送はしてもOK
香典を銀行振込ではなく郵送することは、マナー違反にはなりません。どうしても葬儀に参列できない場合には、香典を郵送して、遺族に弔意を伝えましょう。
ただし、現金書留専用の封筒を用いるなど、いくつか注意点があるため、正しい郵送方法を理解しておくことが重要です。香典の郵送方法については後述します。
香典を代理人に持っていってもらうこともできる
自分が葬儀に参列できない場合に、代理人を立てて、香典を持っていってもらう方法もあります。もちろん、故人や遺族と面識のある人であればよいですが、面識のない方でも問題はありません。
香典の表書きには、本人の氏名を書きましょう。また、葬儀の受付で代理人が記帳する際には、本人の名前を書いてもらいます。続けて「(代)○○○○」と代理人の名前を小さく記載してもらうのが一般的です。
香典の送金サービスとは?
最近では、香典を代行して届けるサービスを利用することもできます。葬儀会社などに香典金額と手数料を振り込めば、香典袋の表書きを書いて、斎場の遺族に届けてもらえます。業者によってはクレジットカード決済も可能です。
また、遺族に直接オンラインで香典を送金できるサービスもあります。ただし、オンラインの送金サービスはLINEなどを活用するケースが多いため、遺族もアカウントを持っていなければならない、遺族にも手続きをしてもらう必要があるなどの条件があります。
香典の郵送方法
遺族に香典を郵送する際には、守るべきマナーがいくつかあります。郵送方法として、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 現金書留で送る
- 郵送先を確認する
- 手紙を同封する
それぞれについて解説していきます。
現金書留で送る
香典は、現金書留で送らなければなりません。まずは、現金を香典袋に入れましょう。香典袋を、さらに現金書留用封筒に入れて送ります。
現金書留用封筒には2つのサイズがあるため、香典袋が入るものを選びましょう。また、現金書留はポストに投函できないことに注意が必要です。必ず郵便局の窓口から送ってください。
郵送先を確認する
香典の郵送先は、郵送するタイミングによって異なります。通夜・葬儀当日までに間に合うのであれば、斎場に送りましょう。この場合の宛名は「○○斎場名 ○○家 ○○様(喪主名)」です。喪主の名前がわからない場合には「○○斎場名 ○○家 ご遺族様」で問題ありません。ただし、斎場によっては現金書留を受け取らない場合もあるため、事前に確認しておく必要があります。
通夜・葬儀当日に間に合わない場合には、喪主の自宅宛に郵送しましょう。葬儀直後は遺族が忙しいため、葬儀後2~3日経ってから到着するように手配します。
遅くなりすぎると、香典返しの発送が終わり、遺族に負担をかけてしまいます。遅くても1カ月以内には届くようにしましょう。
手紙を同封する
香典を郵送する際には、手紙を同封すると丁寧です。手紙を添えることで、遺族に弔意をよりしっかりと伝えられるでしょう。現金書留用封筒の中に、香典袋と一緒に入れます。
葬儀に香典を持参する場合には、「この度はご愁傷様です」などと、お悔やみの言葉を伝えながら遺族に渡します。香典を郵送する際にも同様に、お悔やみの言葉を手紙で伝えましょう。
香典に添える手紙の書き方
香典に同封する手紙には、どのような内容を書けばよいのでしょうか。手紙の書き方について、次の3つのポイントを紹介します。
- お悔やみの言葉を書く
- 定型の挨拶は省略する
- 忌み言葉・重ね言葉は避ける
それぞれについて詳しく解説します。
お悔やみの言葉を書く
冒頭で、故人に対するお悔やみの言葉を述べましょう。その上で、自分が遺族と面識のない場合には、故人との関係性を記します。
次に、葬儀に参列できないことへのお詫びを書きましょう。続けて、香典を同封したことを伝えつつ、ご霊前にお供えしてほしいとお願いします。また、心を込めて遺族を気遣う言葉を添えましょう。
定型の挨拶は省略する
かしこまった手紙には定型の挨拶が使われますが、香典に添える手紙には、定型の挨拶は省略するのがマナーです。
季節ごとの「時候の挨拶」、拝啓・謹啓などの「頭語」、敬具・謹白などの「結語」は使わないようにしてください。
忌み言葉・重ね言葉は避ける
「死亡」「生きる」など直接的に生死を表現する言葉や、「再び」「追って」など不幸が繰り返すことを連想させる言葉を「忌み言葉」といいます。
また、「度々」「くれぐれも」など、同じ言葉を重ね、不幸を繰り返すことを連想させてしまう言葉は「重ね言葉」です。遺族に宛てて書く、香典に添える手紙では忌み言葉や重ね言葉は避けましょう。
香典に添える手紙のマナー
手紙の内容だけではなく、使用する便箋・封筒・筆記用具などに関してもマナーがあります。遺族に対して失礼にあたらないよう、事前に確認しておきましょう。
便箋・封筒
香典に添える手紙に使う便箋は、縦書きで白文字のものを選ぶのが無難です。白でなければ、薄い灰色や水色でもかまいません。また、便箋は1枚にまとめるのがポイントです。2枚使うと「不幸が繰り返す」ことを連想させてしまうため避けましょう。
封筒についても同様の考え方から、二重封筒ではなく一重封筒を用いるのがマナーです。
筆記用具
本来、香典に添えるお悔やみの手紙は、薄墨の毛筆で書くのがマナーです。薄墨には「悲しみのあまりこぼれ落ちた涙で墨が薄まってしまった」という意味があります。最近では、薄墨の筆ペンも市販されていますので使ってもよいでしょう。
また、黒いインクのペンや万年筆を使っても問題ありません。ボールペンや鉛筆はマナー違反になるため、使用は避けてください。
香典のマナー
ここでは、香典の渡し方や金額など、香典に関するマナーについて解説します。
- 香典の渡し方
- 香典の金額相場
- 新札は包まない
香典の渡し方
香典を渡すタイミングは、通夜か葬儀のどちらかです。通夜にも葬儀にも参列する場合には、いずれか一方の受付で渡せばよいでしょう。
渡す際には、まず受付で記帳して、ふくさから取り出します。相手側から表書きの字が読める向きにしたら、「この度はご愁傷様です」とお悔やみの言葉を伝えながら両手で香典を差し出しましょう。
香典の金額相場
香典に包む金額は、故人との関係性や地域、年齢によって異なります。ここでは、故人との関係性による、おおよその香典の金額を紹介します。
- 家族や親族:1万〜10万円
- 遠い親戚:5,000~1万円
- 友人、知人とその家族:5,000~1万円
- 会社関係者:5,000~1万円
いくら包んだらよいのかわからない場合には、周りの人に相談してみることをおすすめします。
新札は包まない
香典には新札は包まないのがマナーです。新札を使うと「あらかじめ不幸を予想して準備していた」と捉えられるおそれがあるためです。新札しかない場合には、一度折り目をつけるだけでもかまいません。
また、しわがあったり破れていたりするお札も避けましょう。相手に失礼な印象を与えてしまいます。
香典袋に入れるお札の枚数は、1枚・3枚・5枚の奇数がよいでしょう。「死」を連想させる4枚や、「苦」を連想させる9枚は避けるのが無難です。
香典袋のマナー
香典袋の選び方、書き方に関するマナーについて解説します。相手の宗教に合わせて、失礼のないように配慮するのがポイントです。
香典袋の選び方
香典袋は、喪家、故人の宗教や宗派に合わせたものを選びましょう。たとえば、蓮の花の絵が描かれたものは仏式、白無地に黒白か双銀の水引が掛かっているものは神式、十字架や百合の花が描かれたものはキリスト教式です。
また、包む金額によっても水引は異なります。5,000円以下であれば水引が印刷された香典袋、1万円以上であれば黒白の水引が掛かっているもの、3万円以上であれば双銀の水引が掛かっているものがよいでしょう。
香典袋の書き方
表書きは喪家、故人の宗教や宗派に合わせて書きましょう。仏式の場合には「御霊前」もしくは「御香典」が一般的です。ただし、浄土真宗の場合、亡くなった人はすぐに極楽に往生するとされているため「御霊前」は用いず、「御仏前」もしくは「御香典」とします。
神式では「御玉串料」や「御榊料」が一般的です。キリスト教式の場合には「御花料」か、カトリックであれば「御ミサ料」、プロテスタントであれば「献花料」などが使われます。
水引の下にはフルネームを記載します。中袋の表面には、金額を「壱萬円」などと「大字」を用いて書きましょう。裏面には、住所と氏名を記載します。
まとめ
この記事では、香典を銀行振込してもよいのかと、香典の郵送方法、香典に添える手紙の書き方、香典・香典袋のマナーなどについて解説してきました。
香典は銀行振込しないのがマナーです。郵送、もしくは代理人に持っていってもらうようにしましょう。香典の送金サービスも利用できます。
また、香典は必ず現金書留で送りましょう。その際には、お悔やみの手紙を添えると丁寧です。忌み言葉・重ね言葉は避け、薄墨を用いるなどのマナーを守って書きましょう。香典袋は相手の宗教に合わせたものを選び、失礼のないように配慮して表書きを記入します。
葬儀に参列できなかったとしても、マナーを守って、相手に失礼のないように香典を送り、お悔やみの気持ちを伝えることが大切です。
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