2024.07.16

葬儀の基礎知識

御香料・御香典のお返しとは?タイミング・相場・品物などのマナーを解説

通夜・葬儀で御香料・御香典をいただいた場合には、遺族からお返しの品物を贈ります。相手に失礼のないよう、いつ何を贈ればよいのか、マナーを押さえておきましょう。

この記事では、御香料・御香典とは何か、お返しの金額相場、ふさわしい品物、掛け紙・表書きなどを詳しく解説します。また、御香料・御香典のお返しをしないケースも紹介します。

御香料と御香典の違い

御香料と御香典はよく似た言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。

かつての葬儀では、参列者が自宅からお香を持ってきて「御香料」として霊前にお供えをしていました。

しかし現在では、お香そのものを持参する習慣はなくなり、お香の代わりに金銭をお供えします。御香料の意味合いも「お香を購入する代金」というよりも、故人に対する感謝の気持ちや、葬儀費用の足しにしてもらいたいという気持ちが込められています。

御香典も御香料と同じ意味を持ちますが、遺族に渡すタイミングが異なります。

一般的には、御香典が通夜や葬儀の際に遺族へ渡す金品を指すのに対し、御香料は四十九日以降の法要の際に渡す金品のことです

御香料・御香典のお返しとは?

御香料や御香典をいただいた際のお返しについて解説します。お返しの意味を正しく理解し、相手に失礼にあたらないように気をつけましょう。

御香料・御香典へのお礼として贈る品物

御香料・御香典のお返しとは、遺族から参列者に対して、御香料・御香典へのお礼として贈る品物を指します。

御香料や御香典は、故人の友人や知人から故人に対して贈られる最後の贈り物であるため、故人の代理として遺族がお返しをするのがマナーです。

参列者に対して、お世話になったことへの感謝の気持ちを伝えるとともに、無事に四十九日法要を終えたことを報告します。

御香料のお返しと御香典のお返しは時期が異なる

御香料と御香典は、それぞれいただくタイミングが異なるため、お返しの時期も変わってきます

御香料を四十九日以降に受け取った場合には、できるだけ早くお返しを贈りましょう。遅くとも10日以内が目安です。

一方、通夜や葬儀の際に受け取った御香典に対しては、四十九日法要が終わり、忌明けとなってから1カ月以内に、香典返しを贈るのが一般的なマナーです。

御香料・御香典のお返しの金額相場

御香料・御香典のお返しは、いくらくらいの品物を贈れば相手に失礼にあたらないのか、気になる方もいるでしょう。

ここでは、御香料・御香典のお返しの金額相場について解説します。金額相場を知っておけば、安心してお返しを選べるでしょう。

半返しや3分の1返し

御香料・御香典のお返しをするときに、基本となるのが「半返し」です。受け取った御香料・御香典の半額程度で購入した品物を贈ります。

かつて関西地方では、「3分の1返し」といい、半額ではなく3分の1程度がお返しの金額相場とされていました。しかし、最近では半返しの習慣が普及してきています。

ただし、地域によっては慣習が異なるため、菩提寺など周りの方に確認してみることをおすすめします。

御香料・御香典が高額だった場合

いただいた御香料・御香典が高額だった場合には、半返しや3分の1返しにこだわらなくてよいとされています。3分の1から4分の1程度のお返しでも、失礼にはあたりません。

とくに、親族から高額な御香料・御香典をいただいた場合には、「葬儀費用の足しにしてほしい」という気持ちが込められているケースが多いでしょう。無理をして半返しなどをすると、かえって相手に気をつかわせてしまいます。事情に合わせて、無理のない程度の金額でお返しを贈るようにしてください。

御香料・御香典のお返しにふさわしい品物

御香料・御香典のお返しにはどのようなものがふさわしいのか、正しい知識を身につけておけば、いざ品物を選ぶときにもスムーズです。

ふさわしいものとして、次の3つを紹介します。

  • 食品・日用品などの「消えもの」
  • 白い布製品
  • カタログギフト

それぞれの特徴を理解したうえで選んでください。

食品・日用品などの「消えもの」

御香料・御香典のお返しには、「消えもの」と呼ばれる消耗品がふさわしいとされています。使ったり食べたりすればなくなってしまう消えものには、「不幸や悲しみを残さない」という意味が込められています。

具体的には、お菓子、砂糖、海苔などの食品や、お茶やコーヒーなどの飲み物、石けんや洗剤などの日用品が一般的です。

白い布製品

亡くなった人をあの世へ送り出す際に、白装束を着せる習慣に由来して、白い布製品を御香料・御香典のお返しとして贈ることもあります

具体的な品物は、白いタオルやシーツなどです。また、タオルには「不幸や悲しみを拭い去る、包み込む」という意味が込められています。

カタログギフト

最近では、受け取った人に好きなものを選んでもらえるカタログギフトも、御香料・御香典のお返しとして人気です

弔事用のカタログギフトにすれば、相手に失礼にあたらないほか、どのような品物にすればよいのか悩む必要もありません。

御香料・御香典のお返しの掛け紙・表書き

御香料・御香典のお返しを贈る際には、掛け紙の選び方や表書きの書き方にも注意する必要があります。ここでは、掛け紙・表書きに関するマナーを紹介します。

御香料・御香典のお返しの掛け紙

御香料・御香典のお返しの掛け紙は、のしの付いていない弔事用のものを選びましょう。白地に黒白結び切りの水引が印刷されているものが一般的です。ただし、地域によっては「黄白結び切り」の水引が使われることもあります。

結び切りは、一度結ぶとほどけない結び方であるため、「不幸や悲しみが繰り返されないように」という気持ちが込められています。

御香料・御香典のお返しの表書き

仏式の場合、御香料・御香典のお返しの表書きには「志」と書くのが一般的です。ただし、西日本では「満中陰志」と書く地域もあります。

神式やキリスト教式では「偲び草」と書きますが、「志」も使われます。そのため、相手の宗教がわからない場合は「志」と書くのが無難です。

御香料・御香典のお返しは四十九日以降に送るケースが多いため、濃墨の毛筆か筆ペンで書くのが一般的です。ただし、地域によって慣習は異なるため、周りの人に確認することをおすすめします。

御香料・御香典のお返しに関する注意点

御香料・御香典のお返しを贈る前にやるべきことを2点紹介します。

香典返しを辞退されていないかを確認する

香典をいただいた方が、香典返しを辞退している場合があります。口頭で辞退の旨を伝えられていないか、香典袋の裏面や中袋に辞退すると書かれていないか、確認しておきましょう。

香典返しを辞退している方に対して、御香料・御香典のお返しを贈ることは失礼にあたります。

お礼状を添える

御香料・御香典のお返しを贈る際には、お礼状を添えるのがマナーです。御香料・御香典をいただいたことへの感謝の気持ちと、四十九日法要を無事に終えたことを記載します。

お礼状を書く際には、季節の挨拶を省く、句読点は使わない、忌み言葉は避けるなどの注意点があります。

直接口頭でご挨拶をする代わりにお礼状を書いていることを念頭に置き、心を込めて書きましょう。

御香料・御香典のお返しをしない場合

御香料・御香典をいただいたからといって、必ずお返しを贈るわけではありません。御香料・御香典のお返しをしないケースとして、次の4つが挙げられます。

  • 故人が一家の生計を支えていた場合 
  • 御香料・御香典を福祉施設などに寄付した場合
  • 法人からの御香料・御香典を受け取った場合 
  • 香典返しを辞退されていた場合

それぞれ詳しく見ていきましょう。

故人が一家の生計を支えていた場合

故人が一家の生計を支える大黒柱だった場合には、御香料・御香典のお返しをしなくてもよいとされています

遺族は今後の生活を立て直していかなければならないため、御香料・御香典を生活の足しにするためです。

また、故人に未成年の子どもがいる場合も同様に、今後の養育費が必要となるため、お返しをしなくても失礼にはあたりません。

御香料・御香典を福祉施設などに寄付した場合

故人や遺族の意思によって、御香料・御香典を福祉施設などに寄付する場合があります。そのような場合には、御香料・御香典のお返しをしなくてもよいでしょう。

ただし、どのような施設・団体に、どのような趣旨で寄付したのかを参列者へのお礼状に明記し、報告することをおすすめします。

法人からの御香料・御香典を受け取った場合

法人からの御香料・御香典を受け取った場合も、基本的にはお返しを送らなくてよいでしょう。お返しの受け取りを禁止している法人もあるためです。

ただし、勤務先の人から個人名義あるいは連名で御香料・御香典を受け取った場合には、お返しが必要となります。

香典返しを辞退されていた場合

前述したように、香典返しを辞退されている場合、御香料・御香典のお返しを贈ることはマナー違反となります。

相手の意思を尊重して、お返しは贈らないようにしましょう。

まとめ

本記事では、通夜・葬儀・法要で御香料・御香典をいただいた場合のお返しのマナーについて解説しました。

お返しの金額相場は、半返しや3分の1返しが一般的です。ただし、地域によって慣習は異なるため、菩提寺など周りの方に確認してみることをおすすめします。

御香料・御香典のお返しにふさわしい品物は、消えもの、白い布製品、カタログギフトなどです。掛け紙は白地に黒白結び切りの水引が印刷されているものを選び、表書きには「志」と書くのが一般的です。

御香料・御香典のお返しは、相手に不快な思いをさせないことが重要であり、感謝の気持ちを伝えるものであることを理解しておきましょう。

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