2024.07.16

葬儀の基礎知識

四十九日とお盆が重なる場合はどうすればよい?初盆の準備やマナーなどを解説

故人が亡くなった時期によっては、四十九日とお盆が重なる場合があります。四十九日も初盆もどちらも大切な法要ですが、重なるケースではどうすればよいのでしょうか

この記事では、四十九日とお盆が重なるとはどういうことなのか、重なる場合の対応、初盆の準備やマナー、宗教ごとの初盆などについて解説します。とくに、法要の日程の決め方をわかりやすく説明していますので、参考にしてください。

四十九日とお盆が重なるとは?

四十九日とお盆が重なるとはどういうことなのかを理解するためには、四十九日の数え方やお盆の日程に関する知識が必要です。ここでは、四十九日以降に迎える初めてのお盆である初盆について解説し、四十九日とお盆(初盆)が重なるケースを具体的に示します。

初盆とは四十九日以降に迎える初めてのお盆

初盆(はつぼん・ういぼん)とは、故人が亡くなって四十九日が過ぎ、初めて迎えるお盆のことです。お盆は、故人やご先祖様がこの世に戻ってくる期間とされており、亡くなってから初めて故人が家に帰ってくる初盆は、とくに丁寧な供養が行われます。

遺族や親族、故人が親しかった友人を招き、僧侶に読経をしてもらい、参列者と会食する初盆法要を執り行うケースも一般的です。

宗派によって多少異なるものの、仏教においては、四十九日までは故人のあの世での行き先が決まっていないと考えられています。そのため、四十九日を過ぎてから迎えるお盆が初盆とされるのです。

四十九日とお盆(初盆)が重なるケース

四十九日とお盆(初盆)が重なるケースを具体的に示します。お盆は、7月盆の場合と8月盆の場合があるため、それぞれについて見ていきましょう。

7月盆の場合

東京など、関東地方の一部における7月盆は、7月13日から15日です。5月26日が命日であった場合、命日を1日目と数えて49日目が7月13日となるため、命日が5月26日以降の場合には、四十九日とお盆(初盆)が重なることになります。

8月盆の場合

一般的な8月盆は、8月13日から15日です。6月26日が命日であった場合、命日を1日目と数えて49日目が8月13日となるため、命日が6月26日以降の場合には、四十九日とお盆(初盆)が重なることになります。

四十九日とお盆が重なる場合の対応

四十九日とお盆が重なる場合、それぞれの法要はどのように執り行えばよいのでしょうか。重なる場合の対応を、以下の3パターンに分けて解説します。

  • 四十九日法要のあとに初盆を行う
  • 四十九日法要と初盆を同時に行う
  • 四十九日法要を行い初盆は翌年に行う

四十九日法要のあとに初盆を行う

第1のパターンは、四十九日の法要を行い、そのあとに初盆法要を行うものです。このパターンは、さらに2つの方法に分かれます。

まず、葬儀の際に四十九日の繰り上げ法要を行ってしまう方法です。この場合、すでに四十九日法要が終わっているため、お盆期間に初盆法要を行うことになります。

もうひとつは、四十九日法要を前倒しする方法です。本来の四十九日よりも、一般的には1週間ほど前の日程で四十九日法要を行います。その結果、四十九日とお盆が重なることが回避されるため、お盆期間に初盆法要を行うことになります。

四十九日法要と初盆を同時に行う

第2のパターンは、四十九日法要と初盆を同時に行うものです。四十九日とお盆が重なるのであれば、2つの法要を同時に執り行ってしまおうという考え方に基づいています。

また、四十九日とお盆が重ならない場合であっても、四十九日のすぐあとにお盆が来るのであれば、法要を同時に行うケースもあります。

ただし、法要をまとめて行うことは、故人を軽んじていると考える人もいるため、トラブルにならないよう注意しなければなりません。

四十九日法要を行い初盆は翌年に行う

第3のパターンは、四十九日法要のみを行い、初盆は翌年に行うものです。とくに、お盆のあとに四十九日を迎える場合、初盆法要は翌年のお盆の時期に行うのが一般的です。

四十九日とお盆が重ならない場合であっても、四十九日のすぐあとにお盆が来るのであれば、初盆法要を翌年に行うケースもあります。

ただし、地域や宗派によって考え方は異なるため、菩提寺と相談して決めたほうがよいでしょう。

初盆の準備

初盆の準備をスムーズに進められるよう、おおまかな流れを理解しておきましょう。以下の5点について解説します。

  1. 日程と場所を決める
  2. お寺への依頼
  3. 参列者への連絡
  4. 会食・返礼品・お布施の準備
  5. お墓の掃除

日程と場所を決める

初盆の準備は、法要の日程と場所を決めることから始まります。遺族や親族、故人の友人が参列しやすい日程を設定しましょう。

また、法要を行う場所も決めなければなりません。参列者の人数や予算に応じて、自宅、斎場、ホテル、菩提寺などから、どこにするかを選びましょう。

お寺への依頼

日程と場所が決まったら、菩提寺の僧侶に依頼しましょう。初盆法要には僧侶に来ていただき、読経をしてもらいます。お盆の時期、僧侶はとても忙しいため、できるだけ早く依頼をすることが重要です。遅くとも1カ月前までには連絡しましょう。

また、僧侶に対しては法要の依頼とあわせて、法要後の会食の席への案内もします。

参列者への連絡

法要の日程と場所が決まり、お寺への依頼もできたら、参列者に連絡しましょう。案内状を作成し、参列が可能かどうか、法要後の会食に出席するかどうかについて、往復はがきなどで返事をいただくようにします。

設定した期日までに返事が来ない場合は、電話やメールで出欠を確認しましょう。会食や返礼品の手配があるため、人数の把握は必要です。

会食・返礼品・お布施の準備

初盆法要の参列者に渡す返礼品を準備しておかなければなりません。お菓子やタオル、お茶などが一般的です。

また、法要会場に応じた、法要後の会食の手配も行います。自宅で法要をする場合には、仕出しを頼むか、遺族が作ります。斎場や菩提寺であれば仕出しを、ホテルの場合は直接ホテルに依頼しましょう。

お墓の掃除

地域によっても考え方は異なりますが、お盆期間が始まるまでに、お墓を掃除してきれいにしておくのが一般的です。雑草や落ち葉などを取り除き、墓石はスポンジを用いて洗いましょう。

花筒などは取り出して洗います。最後にから拭きをして、水分が残らないようにしましょう。とくに初盆には、親族や故人の友人など多くの人がお墓参りに来る可能性が高いため、お墓をきれいにしておくことをおすすめします。

初盆の飾り

お盆にはさまざまなものを飾ります。なかには初盆特有の飾りもあるため、正しい知識を身につけておきましょう。白提灯、精霊棚、精霊馬、迎え火・送り火について解説します。

白提灯

「白提灯(しろぢょうちん)」は、初盆のみに用いる提灯です。初めて帰ってくる故人が迷うことのないよう、玄関先などに目印として吊り下げておきます。

盆提灯は毎年使用できますが、白提灯は初盆以外のお盆には使わないため、初盆が終わったら送り火で燃やすか、菩提寺に持っていき供養してもらいましょう。

精霊棚

お盆には、故人やご先祖様を供養するための祭壇である「精霊棚(しょうりょうだな)」を設置します。精霊棚には、お盆の間、故人やご先祖様の霊が滞在すると考えられており、「盆棚」とも呼ばれます。

仏壇の前に置き、位牌やお供え物などを並べましょう。精霊棚の飾り方には、地域差が大きいため、年配の方などに確認してみることをおすすめします。

仏壇仏具店には、精霊棚を組み立てるセットなども販売されています。地元の仏具店に出向き、精霊棚をどうするのがよいのか相談してみるのもひとつの方法です。

精霊馬

精霊棚にお供えするものとして、キュウリとナスに割り箸を刺して足を付けた「精霊馬(しょうりょううま)」があります

キュウリは馬、ナスは牛に見立てられ、故人やご先祖様の霊が乗って、あの世とこの世を行き来すると考えられているのです。

「あの世からこの世に帰ってくる際には、キュウリの馬に乗って早く帰ってきてほしい」「あの世に戻る際にはナスの牛に乗って、ゆっくりと帰ってほしい」という願いが込められています。

迎え火・送り火

盆入りの日である13日には、故人やご先祖様の霊を迎えるために迎え火を焚きます。

夕方、麻の茎を剥いで乾燥させた「おがら」に、軒先などで火をつけて煙を出し、あの世からこの世にやってくる頼りとします。

また、盆明けの日である16日の夕方には、送り火を焚いて、故人やご先祖様の霊を見送るのが慣わしです。煙に乗ってあの世に帰っていくと考えられています。

宗教ごとの初盆

宗教によっても、初盆の位置付けが以下のように異なります。

仏教の初盆

仏教の宗派のなかでも、浄土真宗では、亡くなった人はすぐに極楽浄土に往生するという考え方があり、お盆に帰ってくるとは考えられていません。

そのため、初盆法要ではなく、阿弥陀如来に感謝する法要「歓喜会(かんぎえ)」を行います。ただし、地域の慣習に従って初盆法要を行うケースもあります。

また、真言宗では追善供養が重要だと考えられています。そのため、故人やご先祖様だけではなく、ご本尊にもお参りをします。

神道では「新盆祭」や「新御霊祭」

神道では、初盆に相当する「新盆祭(にいぼんさい)」や「新御霊祭(あらみたままつり)」と呼ばれるものがあります。

神道においては、「故人は家を守る神様になる」と考えられています。神様を家に迎える儀式が「新盆祭」です。

精霊棚を作り、神職に祝詞をあげてもらいましょう。ご先祖様に感謝するために法要が行われます。

キリスト教には初盆はない

キリスト教にはお盆という考え方はないため、初盆もないのが基本です

ただし、宗教上の意味とは別に、日本にはお盆という行事が根付いています。キリスト教であっても、故人を偲ぶ行事を行いたいと考える人は、教会にその気持ちを伝えて、相談してみてはいかがでしょうか。

初盆の服装マナー

初盆法要に際して、服装マナーがわからない人もいるでしょう。ここでは、喪主側、参列者側それぞれの服装マナーを解説します

【喪主側】服装のマナー

初盆法要における喪主側の服装は、喪服が基本です。

男性は黒のスーツ、黒いネクタイ・靴下・靴で、ワイシャツは白無地のものがよいでしょう。

女性は黒いワンピース・スーツが基本です。ただし、紺やグレーでも問題はありません。アクセサリーはできるだけ外しますが、結婚指輪、パール製品はよいとされています。

子供は制服を着用します。制服がなければ、黒い服装か派手でない服装にしましょう。

【参列者側】服装のマナー

初盆法要には、喪服や礼服を着用するのがマナーですが、平服でも問題ありません。男性の場合はダークスーツを着用し、黒いネクタイ・靴下・靴で、ワイシャツは白無地のものがよいでしょう。

また、女性の場合は、ダークスーツやワンピースが適切です。色は黒のほか、紺やグレーでもよいでしょう。子どもは遺族側と同様に制服を着用します。制服がなければ、黒い服装か派手でない服装にするしかありません。

まとめ

この記事では、四十九日とお盆が重なるとはどういうことなのか、法要の日程決め、重なる場合の対応、初盆の準備・飾り・マナーなどについて解説しました。

四十九日法要も初盆法要も、故人を偲ぶための大切な行事であるため、大切に執り行いたいものです。正しい知識にもとづいて、しっかりと準備を進めていきましょう。

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