2024.07.15
葬儀の基礎知識
お悔やみを弔電ではなくメールで送ってもよい?マナー・文例・返信について解説
訃報を受け取った際には、お悔やみの言葉を伝えるために弔電を送ります。しかし、弔電を手配する時間がない場合や、すぐにでも弔意を伝えたい場合には、メールで送りたいと考える人もいるでしょう。
この記事では、お悔やみを弔電ではなくメールで送ってもよいのかについて述べたうえで、メールで送る際のマナーや文例を紹介します。また、遺族がお悔やみメールを受け取った際の返信方法についても解説します。
お悔やみを弔電ではなくメールで送ってもよい?
お悔やみの言葉を伝える正式な方法は「葬儀に参列して直接伝える」「弔電を送る」「手紙を書く」などです。ただし、相手と親しい関係である場合には、メールでお悔やみの言葉を送っても差し支えありません。
とくに、メールで訃報が届いた場合には、メールでお悔やみを送っても失礼にはあたらないでしょう。訃報を受け取ったら、すぐに相手を気遣い、故人を偲ぶお悔やみの言葉を伝えることをおすすめします。
お悔やみを弔電ではなくメールで送るかどうかの判断基準
お悔やみを弔電ではなくメールで送るかどうかの判断基準は、主に以下の3点です。
- 相手との関係性
- 自分の置かれている状況
- 相手のメールアドレスを知っているか
それぞれについて詳しく解説していきます。
相手との関係性
相手との親しさの度合いは、お悔やみをメールで送るかどうかの判断基準になります。メールで送ってもよい相手は、友人や親しい会社関係者などです。
ただし、礼儀を重視する人もいるため、目上の方にはメールで送ることは避けるべきでしょう。また、親族に対しては、略式であるメールは使わないほうが無難です。
自分の置かれている状況
自分がどのような状況に置かれているかも、お悔やみをメールで送るかどうかに関わってきます。
たとえば、遠方に住んでいるため葬儀に参列できず、直接お悔やみの言葉を伝えられないのであれば、メールを送ることもやむをえないでしょう。また、訃報がメールで送られてきた場合は、お悔やみもメールで返信するのが自然な流れです。
相手のメールアドレスを知っているか
相手のメールアドレスを知っていることも、お悔やみをメールで送るかどうかの判断基準になります。メールアドレスを知らなければ、お悔やみメールを送りようがありません。
また、相手のメールアドレスを知っているのであれば、それなりに親しい間柄であると考えられます。
お悔やみを弔電ではなくメールで送る際のマナー
親しい関係にある相手に対して、お悔やみをメールで送る場合にも、マナーを押さえておかなければ失礼にあたるおそれがあります。お悔やみを弔電ではなくメールで送る際のマナーは、主に以下の4点です。
- 件名は簡潔にする
- 本文は簡潔にわかりやすくまとめる
- 忌み言葉を避ける
- 誤字・脱字に注意する
それぞれ詳しく解説します。
件名は簡潔にする
数多く届くメールのなかで、お悔やみのメールであることがはっきりとわかるよう、簡潔な件名をつけましょう。
迷惑メールと間違われないようにするためには、お悔やみの言葉と自分の名前を記すことがポイントです。たとえば「〇〇〇〇よりお悔やみ申し上げます」などがよいでしょう。
本文は簡潔にわかりやすくまとめる
忙しい遺族に余計な時間を取らせないように配慮して、本文は簡潔にわかりやすくまとめることが重要です。
時候の挨拶などは省き、弔意を述べ、遺族を励ます言葉を書きます。また、相手に負担をかけないために、改行したり、返信不要の旨を書き添えたりしましょう。
忌み言葉を避ける
お悔やみメールでは、忌み言葉を使わないようにしてください。忌み言葉には、不幸が重なることを連想させる「重ね重ね」「ますます」「追って」や、生死を直接的に表現する「ご存命」「死亡」、不幸を連想させる「去る」「消える」などが該当します。
また、相手の宗教・宗派にとって、ふさわしくない言葉も避けましょう。たとえば、仏式の場合には「迷う」「浮かばれない」、浄土真宗においては「冥福」「霊前」は用いません。
また、神式、キリスト教式では「成仏」「冥福」「往生」などは使わないことに注意が必要です。
誤字・脱字に注意する
お悔やみメールの文章の中に、誤字・脱字があると相手に対して失礼です。また、読みづらくなるため、相手に負担をかけてしまいます。
本文を書き終えたら、必ずもう一度読み直して、誤字・脱字がないかどうかを確認しましょう。機種依存文字や絵文字も使わないほうが無難です。
お悔やみメールの文例
相手別のお悔やみメールの文例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。友人、上司、同僚、部下、取引先それぞれに対するメールのポイントを押さえておきましょう。
友人へのお悔やみメールの文例
親しい友人に対してであっても、お悔やみメールは礼儀を踏まえて書いたほうがよいでしょう。友人へのお悔やみメールの文例は、次のとおりです。
【件名】〇〇〇〇よりお悔やみ申し上げます 【本文】 〇〇様のご逝去の報に接し、心からお悔やみを申し上げます。くれぐれも心身にお気をつけください。力になれることがあればご連絡ください。 なお、メールの返信は不要です。 |
上司へのお悔やみメールの文例
上司へのお悔やみメールの文例は、次のとおりです。
【件名】〇〇〇〇よりお悔やみ申し上げます 【本文】 〇〇様のご逝去の報に接し、心からお悔やみを申し上げます。 本来であれば弔問にうかがうべきところではありますが、略儀ながらメールにて失礼いたします。 〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます。 なお、ご多忙のことと思いますので、ご返信は不要です。 |
同僚へのお悔やみメールの文例
同僚へのお悔やみメールの文例は、次のとおりです。同僚であるため、仕事のことは心配無用であることを伝えましょう。
【件名】〇〇〇〇よりお悔やみ申し上げます 【本文】 〇〇様のご逝去の報に接し、心からお悔やみを申し上げます。 突然のことで無理をなさっているのではないかと、心配しております。 仕事のことは、全員でカバーしていくので、心配無用です。お別れの時間をゆっくりと過ごしてください。 〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます。 なお、返信は不要です。 |
部下へのお悔やみメールの文例
部下へのお悔やみメールの文例は、次のとおりです。
【件名】〇〇〇〇よりお悔やみ申し上げます 【本文】 〇〇様のご逝去の報に接し、驚いています。略式ながらメールにて、心からお悔やみ申し上げます。 仕事のことは気にせず、ゆっくりと休んでください。 〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます。 なお、返信は不要です。 |
取引先へのお悔やみメールの文例
取引先へのお悔やみメールの文例は、次のとおりです。取引先であるため、件名には会社名を入れておくとよいでしょう。
【件名】〇〇株式会社〇〇よりお悔やみ申し上げます 【本文】 株式会社〇〇 〇〇部〇〇様 ご父堂様ご逝去の報に接し、心からお悔やみを申し上げます。 略式ながらメールでのご連絡となり、失礼いたします。 ご父堂様のご冥福をお祈り申し上げます。 なお、返信のお気遣いは不要です。 〇〇株式会社〇〇〇〇(フルネーム) |
お悔やみメールへの返信と文例
遺族がお悔やみメールを受け取った場合、どのように返信すればよいのか迷ってしまうかもしれません。ここでは、お悔みメールへの対応方法と返信文例を紹介します。
急がなくてもよいが返信する
遺族は、葬儀前後は何かと忙しかったり、心の整理がつかなかったりするのは当然であるため、お悔やみメールへの返信を急ぐ必要はありません。
ただし、時間がかかってもかまわないため、お悔やみメールに対するお礼の気持ちを返信しましょう。お悔やみメールに「返信不要」と書かれていたとしても、返信をするのがマナーです。
友人からのお悔やみメールへの返信文例
お悔やみメールへの返信を書くのは、葬儀が終わって少し落ち着いた頃になるでしょう。気持ちが落ち着いてきたことを伝えるために、多少は砕けた表現になっても問題ありません。
友人から届いたお悔やみメールへの返信文例は、次のとおりです。
【件名】お悔やみのメールをありがとうございました 【本文】 先日は、お悔やみのメールを送ってくれてありがとうございました。 おかげで、少し気持ちが落ち着きました。 無事に葬儀も終わり、ようやく一段落しました。 また今度、ゆっくり話せたらと思っております。 |
上司からのお悔やみメールへの返信文例
上司から届いたお悔やみメールへの返信文例は、次のとおりです。仕事に影響を与えたことへのお詫びと、可能であれば復帰予定日についても書きましょう。
【件名】先日はお悔やみのメールをありがとうございました(〇〇〇〇) 【本文】 先日は〇〇の逝去に際し、ご多忙の中、メールをいただきありがとうございました。 突然のことで、〇〇さんをはじめとした〇〇課の皆様にはご迷惑をおかけして、申し訳ございませんでした。 おかげさまで無事に葬儀も終わりましたので、取り急ぎ、お礼までメールをお送りいたしました。 なお、会社には〇月〇日より復帰予定です。職場の皆様にも、どうぞよろしくお伝えください。 ありがとうございました。 |
まとめ
この記事では、お悔やみを弔電ではなくメールで送ってもよいのか、メールで送る際のマナー、文例、お悔やみメールを受け取った遺族側の対応方法について解説しました。
相手との関係性や自分の置かれている状況によっては、お悔やみを弔電ではなくメールで送っても問題はありません。ただし、相手に負担をかけないよう、マナーを守ってお悔やみの気持ちを伝えることが大切です。
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