2024.07.15

葬儀の基礎知識

家族葬で花輪は送るべき?マナーや注意点などを徹底解説

近年、近しい人たちのみで故人を見送る家族葬が増えています。通常の葬儀では、葬儀場の外に花輪が飾られますが、家族葬でも花輪を送ってよいのでしょうか。

家族葬で花輪を送るべきかどうかは、ご遺族の意向に従うのがマナーです。勝手に送ってしまうと迷惑がかかるおそれがあるため注意しなければなりません。

本記事では、家族葬で花輪を送るときのマナーや注意点を解説します。また、花輪の種類や価格相場、家族葬の特徴やメリットなどの基礎知識も紹介しますので、家族葬に参列する前に確認しておきましょう。

花輪とは

花輪(はなわ)とは、脚のついた台の上に、円形にあしらった生花や造花がついたものです。脚の部分には名札がついており、送り主の名前や会社名を書いて送ります。

高さが3m前後、直径が1.8mくらいのものが一般的です。

花輪は葬儀だけではなく、開店祝いなどの祝い事でも贈られます。葬儀の花輪には、故人に敬意を示し、ご遺族へお悔やみの気持ちを伝える意味合いがあります。

花輪で使われる花の種類

葬儀の花輪に使われる花の種類は、菊・蘭・百合などが一般的です。色は白が基本ですが、黄・緑・青・紫などを入れることもあります。また、故人が好きだった色を入れるケースも見られます。

ただし、葬儀で使うものなので、あまり派手な色を入れすぎてはいけません。落ち着いた色や淡い色をメインに使うことがマナーです。

なお、仏式の葬儀では花輪に造花を使用することがほとんどですが、キリスト教では造花は使わないしきたりがあり、生花のみを飾ります。花の色は基本的に白のみです。

花輪と供花の違い

供花(「きょうか」または「くげ」)とは、故人の冥福を祈って祭壇に供える花のことです。花輪と供花には、飾る場所や名義人の人数、花の種類などに違いがあります

花輪は葬儀場外の入り口付近に置くのに対して、供花は葬儀場内に飾ります。また、花輪は複数人で送るケースが多いですが、供花は個人名義で贈ることがほとんどです。花の種類は、花輪は造花が多く、供花は生花を使用します。

花輪の価格相場

花輪は、造花でできたものをレンタルするのが一般的で、レンタル料は1万~2万円が相場です。サイズが大きいほど値段も高くなります。

なかには、4,000円くらいの卓上タイプの花輪もあり、ペットのお葬式や命日でよく使われます。

花輪の注文方法

花輪の注文方法には、家族葬を取り仕切っている葬儀社に手配してもらう方法と、自分で花屋に注文する方法があります

おすすめは、葬儀社に手配してもらう方法です。葬儀社は、地域や宗教による風習の違いや、芳名名札の書き方などをよく分かっているほか、提携の花屋があるため迅速に手配してもらえます。

自分で花屋の店舗やネットショップに注文しても問題ありませんが、葬儀社とご遺族には事前に確認をとりましょう。

花輪を飾る順序

花輪は、故人と関係が深い人ほど葬儀場の入り口近くに配置されます。順序はご遺族が決めるため、送り主が指定することはできません。

ご遺族側であれば、配置間違いが起こらないよう、葬儀社のスタッフに正しく伝えましょう。

一般的な順序を大まかに記すと、以下のようになります。

  1. 喪主の兄弟姉妹や子供など
  2. 故人の兄弟姉妹や子供など
  3. その他の親族
  4. 故人の友人や会社関係者など
  5. 喪主の友人や会社関係者など

家族葬とは

家族葬とは、ご遺族が選んだごく親しい人のみで小規模に行う葬儀のことです。

一般的な葬儀は誰でも出席できますが、家族葬は案内を受けた人以外は参列しないマナーがあります。

なお、家族葬という名前ではあるものの明確な決まりはなく、家族以外の親族や友人・会社関係者などを呼んでも問題ありません。人数や規模もご遺族が自由に決められます。

家族葬のメリット

家族葬の主なメリットは以下の3つです。

  • 故人やご遺族の望む形で葬儀を行える
  • 近しい人たちだけで心を込めた葬儀ができる
  • 葬儀費用を抑えられる

家族や親族・友人のみで行う自由度の高い葬儀であるため、故人やご遺族の希望を叶えやすい点が魅力です。

また、通常の葬儀のように、ほかの参列者のことを気にかける必要がありません。故人とのお別れの時間をゆっくりと過ごせるでしょう。

葬儀費用に関しては、小さな式場で行えるため、一般的な葬儀に比べて費用を抑えられます。ただし、参列者が少ないと香典も少なくなることから、トータルでは思ったほど安くならないケースもあります。

家族葬を実施できる場所

家族葬を行う場所に決まりはありません。葬儀をあげられる場所であれば、ご遺族が望む場所で行えます。ただし、火葬場へスムーズに移動できるか、葬儀場へのアクセスが不便でないかなどを考慮する必要があります。

家族葬を行う場所としてよく利用されるのは、自宅・斎場やセレモニーホール・お寺や神社・公民館や町内会館などです。

それぞれメリットとデメリットがあるため、意向に合う場所を選びましょう。

各場所の主なメリット・デメリットは以下のとおりです。

場所メリットデメリット
自宅アットホームな葬儀ができる・葬儀を行うスペースの確保が必要・近所の人に知られてしまう
斎場・セレモニーホール施設や設備が使いやすい料金が高い
お寺・神社宗教的な儀式を正式に行える施設が整っていないところが多い
公民館・町内会館使用料が安い・葬儀場としては不便なことがある・近所の人に知られてしまう

家族葬の流れ

家族葬の流れは、基本的に一般葬と同じです。通夜→葬儀・告別式→火葬という流れになります

また、通夜を行わない一日葬や、火葬のみを行う直葬などがある点も一般葬と同様で、ご遺族が望む葬儀プランを選べます。

家族葬で花輪は送らないほうがよい?

家族葬で花輪を送ってよいかどうかは、必ずご遺族に確認しましょう。自分の判断で勝手に送ることはNGです。

家族葬では、ご遺族が花輪や供花を辞退することも少なくありません。自宅やセレモニーホールなどで小規模に行われるため、サイズが大きい花輪は、置く場所がないケースが多いようです。

また、葬儀場によっては花輪が禁止されていたり、葬儀社側が指定する花輪しか使えなかったりする場合もあります。

「花輪を送れないのであれば、せめて花代を渡したい」と思うかもしれませんが、ご遺族が花輪や供花を辞退した場合は、花代も渡さないのがマナーです。

花輪を送る際のマナーと注意点

家族葬で花輪を送る際は、以下のマナーと注意点を押さえておきましょう。

高価すぎる花輪は送らない

あまり高すぎる花輪は送らないようにしましょう

高すぎる花輪を送ると、ご遺族に気を使わせてしまいます。また、返礼品の値段が高くなり、ご遺族の金銭的負担も大きくなります。

相場である1万〜2万円くらいの花輪を送るとよいでしょう。

地域性や宗教に合わせる

地域性や宗教に合わせた花輪を用意することが大切です。

地域によって花輪のデザインや風習は異なるほか、そもそも花輪を送る習慣がない地域もあります。たとえば、関西の一部地域では、花輪の代わりに樒(しきみ)という常緑樹を飾ります。

また、キリスト教では生花しか使えないといった、宗教ごとの違いにも注意しましょう。

お通夜の前に届くようにする

花輪は置く順所を決めたり、設置したりするのに手間と時間がかかります。

ご遺族に時間的余裕を持ってもらうためにも、お通夜の日の午前中までには届くように手配しましょう

通夜を行わない一日葬の場合や、時間的に通夜に間に合わない場合は、葬儀の始まる数時間前までに届けてください。

花輪の芳名名札の書き方

花輪を送るときに大事なのが、送り主の名前を入れる芳名名札の書き方です。ご遺族に対して失礼のないよう、正しい書き方を把握しておきましょう。

会社の場合

会社の名義で花輪を送る場合は、会社名と代表者の肩書・氏名を正式名称で書きます

芳名名札の右側に「〇〇株式会社」、中央に「代表取締役 佐藤一郎」のように記載しましょう。

社員や部署で連名の場合

親しい社員同士の連名で送る場合は、人数が多すぎなければ(4〜8人程度)全員の名前を書きます。

地位の高い人から順に右から氏名を書き、人数が多い場合は上下段に分けてください。

上下段に分ける場合は、地位の高い人から右上→左上→右下→左下の順で書きます。

地位に差がない場合は、五十音順などで記載してよいでしょう。また、人数が多くて全員の氏名が書けない場合は、「〇〇一同」「〇〇有志一同」のように省略しても問題ありません。

会社の部署の名義で送る場合は、「株式会社〇〇 △△部一同」のように書きます。会社全体の時と同様、社名や部署名は省略せずに正式名称で書きましょう。

夫婦の場合

夫婦で花輪を送る場合は、夫の氏名だけを書くか、右側に夫の氏名、左側に妻の名前のみを書きます。 

妻も氏名を書くと、別居・離婚状態だと誤解されることがあるため、よくないとされています。

親族や友人などで連名の場合

親族や友人などの連名で送る場合は、「〇〇一同」と書きます。

「〇〇家一同」「親族一同」「子供一同」「友人一同」「〇〇サークル一同」といった感じです。

花輪にお返しは必要?

花輪に対する金銭でのお返しは、基本的には必要ありません。とくに、家族葬は近しい人のみで行うため、お返しはしなくてもよいでしょう。

ただし、お礼の電話や手紙はしたほうが、送り主の方に感謝の気持ちが伝わります。また、返礼不要の記載がない限りは、ささいな品物でよいので、お礼の手紙と一緒に送るのがおすすめです。

品物でのお返しは四十九日のあとに送ることが一般的ですが、電話や手紙だけであれば早い時期に行って構いません。

お返しで送る物品の金額は、花輪代の1/2から1/3程度が目安となります。物品は遺族側が選んでもよいですが、カタログを送って相手に好きなものを選んでもらうのもおすすめです。

家族葬の花輪はご遺族に確認して送るか決めよう

家族葬で花輪を送るかどうかは、ご遺族の意向に従いましょう。とくに、会場が小さい場合は、大きな花輪を送ると迷惑になるおそれがあります。

地域・宗教による習慣の違いや、送るタイミングなども考えて、ご遺族にお悔やみの気持ちが伝わるようにに配慮することが大切です。

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