2024.07.16

葬儀の基礎知識

お墓開きとは?タイミング・準備・服装・費用について詳しく解説

お墓を新しく建てたときには「お墓開き」をします。お墓を建てる経験は、一生のうちに何度もあるものではないため、お墓開きを初めて行う方がほとんどかもしれません。スムーズに執り行えるよう、当日までに正しい知識を身につけておきましょう。

この記事では、お墓開きとは何か、お墓開きをするタイミング、準備、服装、当日の流れ、費用について詳しく解説します。お墓開きの方法について、疑問や不安がある方は、ぜひ参考にしてください。

お墓開きとは墓石に魂を入れる儀式のこと

お墓開きとは、物としての墓石に魂を入れて、礼拝の対象とする儀式です。参列者を招き、僧侶に読経してもらいます。「開眼供養」「魂入れ」「入魂式」とも呼ばれます。

お墓は、故人やご先祖様の遺骨を安置する場所です。同時に、魂の宿ったものとして、手を合わせて拝むことによって、故人を偲べる対象でもあるため、お墓開きは重要な儀式といえます。

浄土真宗のお墓開き

浄土真宗においてもお墓開きを行います。ただし、ほかの宗派とは意味合いが異なるため注意が必要です。

浄土真宗のお墓開きは「御移徙(おわたまし)」と呼ばれ、魂を入れるという意味はありません。

浄土真宗では、亡くなった人はすぐに仏様になると考えられているため、「御移徙」は仏様に移っていただくための行事であるとされています。

お墓開きをするタイミング

お墓開きをするのは、お墓を建てたときだけではありません。お墓開きをするタイミングは、以下の2つです。

お墓を建てたとき

新しくお墓を建てた場合には、お墓開きをします。お墓を購入し、引き渡してもらった時点では、墓石はただの「物」です。お墓開きで魂を入れることによって、初めて礼拝する対象となります。そのため、魂が入るお墓開きのあとに、故人の遺骨を埋葬しましょう。

お墓を改修・移転したとき

お墓を改修するときには、お墓を移動させなければなりません。まず、魂抜きの儀式を執り行い、お墓に魂が宿っていない状態にします。そして、お墓を移動させて改修し、元の場所に設置したあとにお墓開きを行います。

お墓を移転するときも同様に、魂抜きをしてからお墓を動かします。設置完了後に、お墓開きをしましょう。

お墓開きの準備

お墓開きに必要な準備は、主に以下の5点です。

  • 施主・日程を決める
  • 僧侶・石材店を手配する
  • 参列者に連絡する
  • 会食を手配する
  • 供物・引き出物を手配する

各工程におけるポイントを詳しく解説しますので、漏れのないようにしっかりと確認してください。

施主・日程を決める

お墓開きの準備は、法要の主催者である施主を決めることから始まります。施主は、お墓を管理する祭祀承継者が務めるのが一般的です。

施主が決まったら、墓開きの日程を決めなければなりません。日程には特別な決まりはないため、親族や参列者の都合の良い日を選びましょう。また、僧侶や石材店とも相談する必要があります。

納骨にあわせて墓開きが行われるケースも多く見られます。その場合には、四十九日、百箇日、一周忌法要などと同じ日に設定しましょう。

僧侶・石材店を手配する

菩提寺がある場合には、菩提寺の僧侶にお墓開きの法要を依頼するのが基本です。菩提寺ではないものの、寺院墓地にお墓がある場合は、その寺院の僧侶がお墓開きを行います。

寺院墓地ではなく霊園にお墓がある場合は、墓地管理者に相談して自分の家の宗派の僧侶を紹介してもらうか、自分で僧侶を探しましょう。

また、お墓開きと納骨式を同時に行う場合には、石材店に納骨を依頼するのが一般的です。自分でお墓の蓋を開けて納骨することも可能ですが、お墓はとても重いため、石材店に任せるのが無難です。その際には、石材店とも相談してお墓開きの日程を調整しましょう。

参列者に連絡する

墓開きに招く参列者を、家族で相談して決めましょう。特別な決まりはなく、親族、友人、知人など、どの範囲にしてもかまいません。

参列者が決まり次第、早めに日程や場所を往復ハガキなどで連絡して、出欠を確認してください。

ただし、四十九日、百箇日、一周忌法要と同時に墓開きを行う場合には、法要の参列者に応じて設定しなければなりません。

会食を手配する

墓開きのあとは、僧侶と参列者を招いて会食を行うのが一般的です。霊園内の施設やホテル、レストラン、料亭などに予約を入れておきましょう。

法要後の会食である旨を伝えて料理の内容を決め、参加人数も連絡します。また、墓地から会食場所までの移動手段も手配しておかなければなりません。参加人数に応じて、自家用車やタクシー、送迎バスなどを確保しておいてください。

供物・引き出物を手配する

お墓開きの際には、お墓に供える供物の準備が必要です。故人が好きだったものや季節の果物などを、できれば前日までに揃えておきましょう。ただし、供花は前もって準備するとしおれてしまうため、当日に用意するのがおすすめです。

また、参列者に渡す引き出物も準備する必要があります。参列者の数に合わせて事前に手配しておきますが、念のため少し多めに用意しておくと安心です。参列者からいただいたお祝いの半額程度が、引き出物の金額の目安となります。

お墓開きの服装は2パターン

お墓開きに参列する際の服装マナーは、次の2パターンで大きく異なります。

  • お墓の建立と納骨を同時に行う場合
  • お墓の建立を生前に行う場合

それぞれの服装マナーを詳しく見ていきましょう。

お墓の建立と納骨を同時に行う場合

故人が亡くなったあとにお墓を建立して、お墓開きと納骨を同時に行う場合は、弔事になります。そのため、服装は葬儀と同様に喪服を着用しましょう。

男性であればブラックスーツやダークスーツと黒ネクタイ、女性であれば黒いワンピースかスーツを選びます。

お墓の建立を生前に行う場合

生前に自分のお墓を建ててお墓開きを行う場合は「寿陵」と呼ばれ、慶事になります。

男性であればブラックスーツに白いネクタイ、女性であれば落ち着いた色のワンピースかスーツ、無地の着物などを着用しましょう。

また、亡くなったあとにお墓を建立して、納骨式は行わずお墓開きのみを行う場合も慶事となります。

お墓開きの当日の流れ

お墓開き当日の主な流れは、以下のとおりです。

お墓の準備:お墓を掃除して、墓石に白い布を巻きます。お墓の前に祭壇を設置し、お供え物や供花を備えましょう。お墓を建てた石材店が準備を手伝ってくれるケースもあります。

読経: 参列者が墓前に移動したあとに、僧侶が読経します。読経が終わったら、施主が墓石から白い布を取り除きます。

焼香:参列者が順番に焼香をします。ここまでで、お墓開きの法要は終了です。

納骨式:納骨も同時にする場合は、お墓開きに続いて納骨式を執り行います。

会食:会食会場に移動し、進行役が挨拶をして、故人と親しかった人に献杯の発声をしてもらい、会食を始めます。故人の思い出などを語り合いましょう。最後に、施主が挨拶をして終わります。

お墓開きの費用

お墓開きに必要な費用は、主に以下の3つです。

  • お布施
  • 御車代・御膳料
  • 石材店へのお礼

相手に失礼に当たらないように、金額目安を理解したうえで準備することをおすすめします。

お布施

お墓開きでは僧侶に読経をしてもらうため、お布施を渡します。金額は1万〜5万円が目安です。ただし、宗派やお寺によっても相場が異なるため、迷ったときは直接僧侶に相談しても失礼にはあたりません。また、親族に尋ねてみてもよいでしょう。

お布施は、紅白の水引の付いた祝儀袋に「開眼御礼」や「御礼」と書いて包みます。

また、お墓開きと同時に納骨式も行う場合は、お墓開きだけを行う場合の1.5~2倍程度の金額を包むのが一般的です。その際には、無地の白い封筒に包みましょう。

御車代・御膳料

寺院墓地以外の霊園などまで、僧侶に出向いてもらう場合には「御車代(おくるまだい)」を包みます。自家用車で来た場合でも、タクシーを利用した場合でも同様です。金額の目安は、5,000~1万円程度です。白い封筒に包み「御車代」と書いて渡しましょう。

また、お墓開き後の会食に、僧侶が出席しない場合は「御膳料(おぜんりょう)」として包みます。金額の目安は、御車代と同様に5,000円~1万円程度です。白い封筒に包み「御膳料」と書きましょう。

石材店へのお礼

石材店に墓石を動かしてもらい、納骨した場合にはお礼を渡します。多くの場合、費用は事前に伝えられますが、5,000~1万円が相場です。白封筒に包み「志」や「御礼」と書いて渡しましょう。

まとめ

お墓開きとは、墓石に故人の魂を入れる大切な儀式であるため、正しい知識を身につけたうえで執り行うことが大切です。事前準備をしっかりと行い、参列者と共にお墓に手を合わせて、故人を偲びましょう。

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