2024.07.16
葬儀の基礎知識
香典返しに現金を贈るのはマナー違反?金券・商品券・贈り方についても解説
葬儀で参列者から香典をいただいた場合には、香典返しとして品物を贈るのが一般的です。しかし、品物ではなく、現金を贈ってもよいのかと疑問に思っている人もいるかもしれません。
そこでこの記事では、香典返しに現金を贈るのはマナー違反か、また金券・商品券の贈り方について解説します。香典返しを贈るタイミングや、香典返しにふさわしいもの・ふさわしくないもの、香典返しをしないケースなども紹介しますので、参考にしてください。
香典返しに現金を贈るのはマナー違反
結論からいうと、香典返しに現金を贈るのは失礼にあたります。マナー違反であるとされる理由は、主に3つあります。
一つめは、現金を贈ると相手に金額がはっきりとわかってしまうためです。金額が明確に伝わることは、品がないとされています。また、相手に金額が少ないと思われれば、不快感を与えてしまうケースもあるでしょう。
二つめは、自分よりも目上の人に現金を贈ると、相手を軽んじていると思われてしまうためです。「現金を生活の足しにしてもらいたい」というメッセージが伝わり、失礼にあたります。
三つめの理由は、品物を選ぶ手間を省いて現金を贈ったと思われるおそれがあるためです。香典返しは、香典をいただいた方に対して感謝の気持ちを示すために贈るものです。相手に「手を抜いた」と思われてしまっては、感謝の気持ちは伝わりません。
ただし、例外として香典返しに現金を贈る地域があることを覚えておきましょう。千葉県の一部などでは、昔から香典返しとして現金を贈る習慣があります。
いただいた香典の半額の現金を、即日返し用の香典袋に入れ、表書きに「志」と書いて、葬儀当日に渡します。
香典返しに金券・商品券を贈る際の注意点
香典返しに現金を贈ることはマナー違反であると説明しました。では、図書券のような金券や、百貨店などの商品券はどうなのでしょうか。
金券や商品券は、あくまでも現金とは異なるものです。そのため近年では、香典返しとして贈ることが許容されるようになってきました。
ただし、相手によっては、現金と同じようにマナー違反と捉えられてしまう場合もあります。とくに、目上の方に対しては、金券や商品券を贈ることは控えるのが無難です。
もし、金券や商品券を香典返しとして贈る場合には、感謝の気持ちを綴った手紙を添えたり、お菓子や日用品などの品物と一緒に贈ったりするとよいでしょう。
香典返しを贈るタイミング
香典返しを贈る場合、いつ贈るのがよいのでしょうか。あらかじめ香典返しを贈る適切なタイミングを把握しておけば、いざというときに慌てずに済むでしょう。
香典返しを贈るタイミングは次の2つです。
- 通夜・葬儀の当日
- 四十九日法要後
それぞれについて解説します。
通夜・葬儀の当日
通夜・葬儀の当日、すなわち香典をいただいたその日に香典返しを贈ることを「当日返し」といいます。
当日返しのメリットは、確実に渡せることと、発送の手間が省けることです。一方、香典をいただいた金額にかかわらず、同じ品物になってしまうデメリットがあります。
また、参列者全員に渡す品物である「会葬御礼」と、当日返しの「香典返し」は別物のため、間違えないようにしましょう。
四十九日法要後
近年では当日返しが増えてるとはいえ、本来の香典返しは、四十九日法要後に贈る「忌明け返し」が一般的です。タイミングとしては、四十九日法要の翌日から2週間以内、遅くとも1カ月以内に贈るのがマナーです。
法要を無事に終えたこと、香典をいただいたことへの感謝の気持ちを書いた手紙を添えて、品物を贈りましょう。
香典返しにふさわしいもの
香典返しの品物として、ふさわしいとされるものがあります。代表的な品物は以下の2つです。
- 消えもの・白いもの
- カタログギフト
それぞれについて、具体的な例を挙げて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
消えもの・白いもの
香典返しには「消えもの」と呼ばれる、使ったり食べたりしてなくなるものがよいとされています。「不幸を後に残さない」という意味が込められているからです。
具体的には、洗剤や石けんなどの日用品、お菓子、砂糖、海苔などの食品、お茶やコーヒーなどの飲み物などが選ばれます。
また、白いタオルやシーツなどの白い布製品も香典返しの定番です。亡くなった人が白装束を身に付けて、あの世に旅立つことに由来しています。
カタログギフト
香典返しとして近年人気を集めているのが、弔事用カタログギフトです。カタログギフトのメリットは次のとおりです。
- 相手には価格がわからない
- 相手に好きなものを選んでもらえる
- こちらで品物を選ぶ必要がない
品物選びに迷った際には、カタログギフトを考えてみてはいかがでしょうか。
香典返しにふさわしくないもの
香典返しとして、ふさわしくないとされるものも理解しておきましょう。次の2つについて解説していきます。
- 肉や魚
- 縁起物
相手に失礼にあたらないよう、品物を選ぶ際には注意が必要です。
肉や魚
肉や魚などの「生もの」は、殺生を連想させるため、香典返しには避けたほうがよいとされています。また、かつて仏教においては、四十九日法要までは、遺族は肉や魚を除いた精進料理だけを食べる習慣がありました。
そのため、「四つ足生臭もの」と呼ばれる肉や魚などは贈らないほうがよいでしょう。ただし、肉や魚が掲載されたカタログギフトであれば問題ありません。
縁起物
縁起物として結婚式などの慶事に使われることの多い品物は、お祝いを連想させるため、香典返しとしてはふさわしくありません。
具体的には、鰹節、昆布、酒類、鶴や亀などをデザインしたお菓子などは避けたほうがよいでしょう。
香典返しをしないケース
香典をいただいたとしても、以下4つのように、香典返しをしない場合があります。
- 遺族の経済状況による場合
- 香典を寄付した場合
- 参列者が香典返しを辞退した場合
- 香典返しをしない地域の場合
それぞれ詳しく解説します。
遺族の経済状況による場合
遺族の経済状況によっては、香典返しをしないケースがあります。たとえば、亡くなった人が一家の中心的な働き手であった場合には、今後の経済基盤を再建しなければなりません。
また、遺族にまだ幼い子どもがいる場合にも、今後の養育費が必要となるでしょう。そのようなケースでは、香典には「遺族の生活への支援」の気持ちが込められているため、香典返しをしなくても失礼にはあたりません。
香典を寄付した場合
故人の意志や遺族の意向により、香典返しは贈らずに、福祉施設などに香典を寄付するケースもあります。この場合には、どこに対してどのような趣旨で寄付したのかをお礼状に書いて、後日発送して報告するのが一般的です。
参列者が香典返しを辞退した場合
香典を出した参列者の側から、「葬儀費用の足しに」「遺族の今後の生活のために」と、香典返しを辞退される場合があります。また、香典返しの受け取りが禁止されている公的機関や企業もあります。
香典返しを辞退された際には、相手の気持ちを尊重して、香典返しは贈らないようにしましょう。
香典返しをしない地域の場合
地域によっては、香典返しを渡さない習慣があるため注意が必要です。自分の地域における葬儀の習慣について、葬儀会社や年配の方に確認しておくことをおすすめします。
ただし、香典返しをしない地域であっても、忌明け後にはお礼状を送るのがマナーです。
まとめ
香典返しに現金を贈るのはマナー違反です。金券・商品券を贈るのは問題ありませんが、目上の方に対しては控えたほうがよいでしょう。
香典返しを贈るタイミングは、通夜・葬儀の当日または四十九日法要後です。香典返しにふさわしいものとしては、消えもの・白いものやカタログギフトがあります。肉や魚、縁起物はふさわしくありません。
香典返しを贈る際には、マナーを守って、相手に失礼にあたらないように気遣いをすることが大切です。配慮した上で、感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。
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